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減圧症チェックイン2


更新が滞ってすみません。

これから年末年始に向けて
いらっしゃるゲスト様達に安心して過ごしていただけるようにいろんな作業でてんてこ舞いでした。

このブログも寝落ちして更新が2日延びています:汗



では前のブログの続きになります。



まずは普通にダイビングできるとアドバイスされ
そう思い込んでいたゲストB様の説得から始まりました。


Sari Dive & Cottageにチェックインの時
ローカルイントラのCさんに私がかなり真剣に話していたのを見て

「サトミさんが心配するからもう潜らない」

とおっしゃっていたのですが
そんな理由でははくて、本当に自分の状況を知っていただかなければと思いました。



あのダイブプロフィールで左半身に力が入らなかったってことは
ほぼ100%減圧症だと思います。
ナイトロックスを使ってるから大丈夫っていうのは神話でしかありません。

症状が治まっているから完治したって訳じゃないです。
気付かない他の症状が出ているかもしれない。
特にBさんの症状は力が入らない・・麻痺に近い状況でしたよね。

この状態で潜り続けると残っているマイクロバブルが大きくなったり
移動して悪さをするかもしれない。とても危険な状況です。
下手したらこの前よりも悪くなるかもしれないし半身不随じゃ済まなくなりますよ。
だから絶対に潜ってはいけません。
癖になってもう潜れない体になるかも知れません。

出来るなら飛行機に乗る前にチャンバーに入るべきだと思う。
DANには入ってますよね。

「はい。入ってます」


DANに入っていれば料金面の問題はクリアできるので安心しました。
次に前のサービスで「チャンバーは危険だ。」「入ると悪くなることもある」と言われていたらしいので
Bさんのチャンバーに対する心配を取り除くことにしました。



そう言えば脳梗塞の検査でMRI撮ったんですよね?

と聞くと

クリニックに行って腕をあげて押しても落ちないとかの簡単な問診をしただけです。
MRIを撮る病院には紹介状がないと直接行けないからと言っていました。

とのこと。

(それではどっちにしても脳梗塞かなんて・・わからないんじゃない?
 と思ったけど酸素吸って回復したって事は減圧症でほぼ間違えないし
 この際、そんな病院の診断はどうでもいいかと思い)

バリのチャンバーは大きくて人の出入りが出来るものなので
もし中で脳梗塞が起きても終わるまで放っておかれるなんてことありません。
お医者さんが一緒に入ってくれることだってありますよ。

確かにチャンバーに入って症状が悪くなることがある
と言うのが嘘だとは言い切れないです。
特にバリ島で流行っている安いトリートメントチャンバー(2h)の場合
中途半端に圧をかけて処置を終えるので
減圧症にかかっている方だと症状が悪くなることがあります。
(実は私もそれでこじらせたことがある:汗)

でも、治療のためのチャンバー(5h)に入れば
ほとんどの場合は改善するし少しでも早く入ったほうが治りも早い。
マイクロバブルを早く排出することで早く健康な体に戻れるし放っておくより早くダイビングに復活できますよ。

飛行機に乗って帰るんだしスッキリして帰るのをお勧めします。

と説得しチャンバー治療を勧めました。


すると

そんなに自分の体が深刻なことになっているとは思わなかった。
どうせもう今回は潜れないし、保険もあるし、ここでしっかり治して帰りたい。

・・と、ご自身からご希望されたのでチャンバーへの手続きに入ることにしました。




チャンバーは直接病院に行くのもありですが(私の場合は直接行きました)
5日後に帰国を控えていることもあり一日も早くチャンバーに入りたいとのことだったので
夜遅い時間(22時過ぎ)でしたがDANにお墨付きをもらって予約をしていこうということに

保険利用の正攻法で行きました。

まずはDAN JAPANに電話
ダイブプロフィールや症状を話す
その際にダイブセンターの名前もしっかり聞かれました。

(Aさんからの相談もなくBさんの状況を知らず普通にダイビングさせて減圧症の症状が出たら
 Sari Diveのダイビングで減圧症発症ってことになっていたかと思うとぞーっとしました。)

バリ島からだと伝えると担当のお医者様を紹介しますと言われ
電話がかかってきました。
どうやらその方海外担当の方で英語が得意な方だったように思います。
とても丁寧な方ですごく感じが良かったです。

やはり飛行機に乗る前にチャンバーに入ったほうがいいと指示を受けました。

チャンバーに関してはDAN ASIA PACIFICからの予約になると言われ
その担当の方がASIA PACIFICの方に手続きをしてからまた電話をくれるという事でしたが
Bさんは英語が達者な方でしたので電話番号を聞き直接自分で電話をすると言いました。


いざ、アジアパシフィックの担当者に電話したものの
予約を取り付けてもらえるどころか冷たい対応!?
夜遅いのもあったかもしれませんが最後には

「チャンバーに入るかどうかはDAN JAPANに聞いてくれ」

・・・で話が終わってしまった。


こりゃーどうしたものか?と
急いでDAN JAPANの担当の方に電話をするとあちらはあちらでチャンバーや病院の情報を集めていたらしい。

時間がかかっても担当者にすべて任せた方がうまく話しが通ったのかも?
とも思いましたが、
どうしても明日にはチャンバーに入りたいとのことだったので

DAN JAPANおすすめのチャンバーを教えてもらい
そこに直接こちらから予約を入れて受けてもらえたらキャッシュレスでチャンバーに入れるか?

と言う質問をしてみた。

答は「キャッシュレスは無理かもしれない・・・」でした。
夜遅いのでDANの契約している保険会社との絡みがありすぐにはわからないらしい。

ではキャッシュレスじゃなくてもいいから自腹でチャンバーに入れてもらい
帰国後その料金をDAN JAPANに請求することは出来るか?

と聞くとそれはOKだという事でした。

病院までの交通費も請求できますと付け加えていました。




バリには現在2つのチャンバーがあります。

ひとつは私が良く通ったサンラー病院
そしてもう一つは新しくできた警察病院でバハヤンカラ病院です。

DAN JAPANはバハヤンカラ病院を指定してきました。
ネットで電話番号を調べ予約をとります。

受け付けは英語が話せないらしくここからはヘリの出番
人懐っこい性格から夜中遅いにもかかわらずチャンバー担当者の電話番号まで聞き出しました。

チャンバー担当者と電話がつながり
チャンバー治療を受けたいことを伝えると

「DANからチャンバーに入れって言われたんなら大丈夫
 明日の朝8時から治療になるのでその前に来て。」

とのこと。

やっぱり「DAN」と言うのは
ダイビング関係の病院にとっては水戸黄門の印籠みたいなものです。


「君も一緒に入るといいよ。
 ゲストが減圧症なら君だって多少なりとも無理してるんだから。君は無料。」


こちらではこういう話があるんですけど

友達と潜っていて一人が減圧症になりチャンバーに入っている最中に
外で待っていた友達が発症しチャンバーから出て来るとその友達が亡くなっていた
っていう怖い話

確かに担当者がガイドを誘うのも一理あると思いました。


でも、発症の時のガイドはヘリじゃなかったですし翌日は忙しかったので

「自分は行かないけど、減圧症が発症したダイブセンターの人に付き添いを頼むよ。その人と話して」

と言うことで予約完了!



8時に開始と言うことなので遅れてはいけないからと
夜中の3時にSari Dive & Cottageを出発することに

Sari Diveにはその時いつもよりも多くのゲストがいて
私もヘリも病院に付き添うことが出来ませんでした。

スタッフもギリギリなので、どうにかボートを1艇にすることで
スタッフ一人がドライバーとして病院に連れて行くことが出来る状態。
ゲスト様は心細かったと思います。


なのでヘリが発症した時のダイブセンターのCさんにお願いのメッセージを入れました

「明日の朝8時にバハヤンカラのチャンバーにBさんが入ることになりました。
 Sari Diveからは付き添いを出すことができません。
 ドライバーが時間までに病院に連れて行きますのでそれから先のこと
 そちらにお任せしても良いでしょうか。お願いします」


ゲストのBさんも前のローカルダイブセンターに連絡を入れて
付き添いのお願いをしました。

ヘリの方には返事がなかったけどゲストの方には返事があったようなので
ホッとして3時に送り出しました。


早めに到着してしまったそうですが
コンビニで朝食を買い込み病院で待っているとチャンバーのスタッフも早く出勤していたらしく
トントンと段取りが済んで8時にはチャンバーに入れたそうです。
インストラクターのCさんも一緒。


チャンバーは大きな部屋と小さめの部屋2部屋分あり
中間室がある立派なものなので(東京医科歯科大にあるのと同じタイプかな?)
途中結構看護婦さんが出入りしていたそうです。

また、ここの病院はまだ新しいのと女医さん、可愛い看護婦さんが多くて
何だかとっても楽しかったみたいです。

「病院の方もとても親切で付き添いなんていなくても大丈夫だったかも」

・・なんておっしゃってました。


チャンバー終了後

激しい運動をしてはならない、熱いシャワー禁止・・・・
飛行機搭乗まで72時間以上開けなければならないなどなど注意を受けたそうです。

日本だと6か月(プロの方で3か月)ダイビングは禁止なんですけど
こちらでは1か月禁止だけ。
私がチャンバーに入ったときもASIA PACIFICの人がそう言っていました。

「でも、できるだけ長く休んだ方がいいですよ。」と私が付け加えておきました。



支払いはBさんがクレジットカードで

Rp.45,000,000

私が入った頃はUSD4,500だったので値下がりしたな。と言う感じ

クレジットカードの機械が1回でRp. 15,000,000しか切れないので
3回に分けてカードを切ったそうです。


その後Sari Diveに戻ってこられました。


体調はいかがですか?と聞くと

何だか手とかがスッキリした感じ
日本出発前に肩がいたかったんだけど
あれから酸素吸ってから肩が痛く無くなったなあって思ってたのに
今は元通りに痛くなっちゃった。
ここだけは感覚が戻らなきゃよかったのになあ・・

なんて呑気なことを言っていました。

やっぱり酸素吸ったからって
症状がすべて良くなっていた訳じゃなかったんですね。

顔色も良くなり気持ち足の筋肉が大きくなってる感じがするよね
と他のゲスト様が話してました。
私もお帰りになった時の第一印象は同じでした。

夕食も食欲旺盛でほんとに元気になりました。


帰国日に飛行機に乗れるし
とりあえずこれで減圧症騒ぎも一件落着だね


と私もヘリも一息ついたのでした。



ちょっと話が反れますが

私がチャンバーに入った時ですが
「減圧症みたいなのでチャンバーに入りたい」と夕方病院に電話

翌日病院へ(午前中到着)

減圧症と診断される

保険の有無を聞かれDAN JAPANのカードを見せると
DANに入っているなら大丈夫!とスタッフに太鼓判を押される。

その日はDAN ASIA PACIFICのスタッフが来る日だったので
来るのを待ってDAN JAPANのカードを見せる

「同じDANだけど管轄が違うんだよね。
 今からDAN JAPANに保険の支払いの意向があるか確認する
 確認が取れたらチャンバー動かすからそれまで待っててくれ。
 保険料が支払われないようだったら君にUSD4,500の支払い能力があるか調べることになる」

と言われ小一時間待たされました。
最終的にDAN JAPANが直接支払いしてくれることになり無事チャンバーに入れました。
(私はキャッシュレスでした)

もしかしたらこっちのパターンの方がすんなりだったかもしれないです。

あ、でもDAN ASIA PACIFICのスタッフが来ない日だったらどうなったか分かりません。



一番なのは減圧症にならない事!

ナイトロックスでもDECOギリギリを繰り返すダイビングだと
ちゃんと減圧症になります。
しかも、普通タンクで潜った時よりも重症になります。

安全ダイビングを目指すなら
ナイトロックスタンクをエアーモードで潜ること(最大水深に気を付けて)

Sari Diveはナイトロックスタンクでエアーモードで潜るのを基本としています。
(ナイトロックスのタンクは無料)
それでゲスト様やガイドの減圧症を防げるなら安いものです!


このブログを参考に
皆さんに楽しいダイビングを長く続けてもらいたいです。


最後に情報をオープンにして頂けたBさん
Sari Dive到着前に相談してくれたAさんにお礼を言いたいと思います。


ありがとうございました。





by sari_dive | 2018-12-12 12:47 | Sariメーキング話 | Comments(2)
Commented by カラサワヨシアキ at 2018-12-13 18:55 x
大西さんが、日本のDANへの手配に、大活躍して、よい方向にに進んだようですね。現地の経営のダイブセンターだったら、どうなっていたでしょうか?同じ旅行傷害保険を適用するにしても、現地で確認のとれやすい保険会社とか、いろいろと検討すべき条件はありそうです。ぜひこれからも現状に即した情報をを教えてください。
Commented by sari_dive at 2018-12-13 22:37
今回のDAN JAPANの手配自体は私がアドバイスしただけでご本人(Aさん)がやりました。現地経営のダイブセンターでもご本人にDAN JAPANに聞いてみるという発想があればどうにかなると思います。そのためにこのブログを書きました。
海外保険については結局どこがいいとかと言うアドバイスは出来ないのですがとにかくまず入って来ること。そして契約番号、緊急時の電話番号をわかるようにしておくことが一番大事かと思います。クレジットカードの保険はサブぐらいに考えるほうが現実的かも知れません。